ドラマ『シャーロック』でよく使われる英語
ベネディクト・カンバーバッチ主演による海外ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』は大人気ですが、劇中使用される探偵英語は皆さんきちんと理解できていますか?
スコットランドの作家、サー・アーサー・コナン・ドイルは1887年に初めてシャーロック・ホームズを世界に発表しました。
ホームズは、4つの長編と56の短編に現れる登場人物で、現在では数え切れないほどの映画やテレビに使われています。
シャーロック・ホームズの話は、ほとんどすべて、頻繁に犯罪の解決を手助けするホームズの友人であり、かつ彼の伝記作家であるジョン・H・ワトスン医師によって語られています。
ホームズは、異常な直感力があり、非常に科学的で、高度な知的能力を持った探偵で、周りの人間にちょっとよそよそしいと頻繁に非難されます。実のところ、英語を勉強しているどんな人にでも、ホームズや、他の有名な探偵たちの言葉にわかりにくいものがいくつかあるはずです。
今回のブログでは、探偵物語に出てくる用語の謎を解くための一般的な探偵英語と、シャーロック・ホームズ用語を併せて8つご紹介しましょう!
1. sleuth
sleuthは犯罪を解決する人のことです。捜査官・刑事・犯罪捜査官の類義語ですが、普通はこういった職業に関する用語の枠外で使われます。sleuthingという表現を耳にすることもあるかと思いますが、これは犯罪を解決する行為のことです。
2. forensic
おそらくオックスフォードかケンブリッジで教育を受けたホームズは、高い知能が評判で、犯罪を解決するのに科学の助けを頻繁に借りる男です。
forensicは、科学的もしくは技術的な方法を使って犯罪を解決することを表す用語です。CSIやその他のドラマで、the forensics teamというのを耳にすることがあると思いますが、この人たちはたいてい、白い仕事着、マスク、手袋を着けて、指紋を取ったり、化学的な証拠なら何でも拾って研究所で分析します。
3. deduction
この単語とその派生語to deduce、I deduced、simple deductionなどを、ホームズと彼の活動との関連でよく耳にします。
数学や会計の用語では、deductionは取り除くことで、例えばtax deductionなどは少し引き算に似ています。一方、英語のdeductionは、道理や一連の証拠、一般規則、真実といったものからの推論方法です。探偵は、証拠と事実を使って殺人犯の正体をdeduceできるようにします。疑惑や直感を論理的な結び合わせで、手元にある事柄と一緒につなぎ合わせるのです。
4. elementary
典型的なホームズ用語です。有名なキャッチフレーズの”Elementary, my dear Watson!”ですが、実際には本の中でホームズは一度もこのセリフは口に出したことがなく、これは別々に使われることが多かった2つのセリフです。
elementaryは、簡単な、本質的なという意味で、何かがelementalやelementaryなときは、基本的で、簡単に分解できる(もしくは簡単にdeducedできる)ものです。現代の表現でいえば、obviously!やit’s obviousのような響きがあります。ホームズが言うときは、彼の究極の知性の度合いを明らかにし、他の間抜けな人たちに向けられた彼の優越感が感じられます。
5. enumerate
番号をつけたり、数えたり、まとめることです。これもかなり複雑な科学用語ですが、もっと単純に表現できる行動です。enumerateは、計算するという意味で、たいていは直接数えられる物に関して使いますが、もっと抽象的な意味で、判断するときや結論を出すときにも使います。
6. ear-flapped travelling cap
ホームズはよくインバネス・ケープを着てear-flapped travelling capをかぶっていると描写されていますが、この帽子はdeerstalkerという別名でも知られています。上げても下ろしても使える、2つのだらりと垂れた半円の耳当てが両側にそれぞれ付いています。
7. archenemy
偉大な主人公にはいつも、それに値するarchenemyがいます。スーパーマンにはレックス・ルーサーですが、ホームズにはモリアーティでしょう。
arch-enemyはsuper-enemyのようなもので、このarchは、最大もしくは最高という意味です。例えば、archbishopはbishopよりも地位が高いという教会の位階を思い浮かべてください。普通のenemyはもちろん悪い奴ですが、archenemyは、本当に根性を試されるような奴なんです!
8. Asperger’s
現代のホームズファンの方であれば、テレビや映画に脚色された登場人物についての議論をたくさん読み込んで、Asperger’sという単語を見かけたことがあるのではないでしょうか。
一部の研究者が、ホームズの行動パターンを現代の言葉で表すのにこの言葉を使い始めました。ホームズは異常な知的能力を持ち、数字、真相、問題解決に対して極端にすばやい一方、人間関係、感情、女性といったこと全般に無関心を示します。
Asperger’s はAsperger’s syndromeのことで、自閉症の一種です。この世界の認識と理解に計り知れない影響を与える障害だと分類されています。ホームズがこの状態に苦しんでいるのではないかと推測する人もいますが、これはあくまでも意見です。