覚えておきたいビジネス英語6つ


ビジネスの世界には、“jargon”(普段使うことのない業界用語や専門用語)が溢れています。英語のビジネスで働くことを将来的に視野に入れている人
にとって、こういった英語の専門用語を勉強することはきわめて重要です。

今回は、使うとちょっとかっこいいビジネス英語を6つ紹介します。これらの単語や熟語を実際にオフィスで使うかどうかはあなた次第ですが、少なくとも、同僚や上司の話が理解できるようになるのではないでしょうか。

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1. Backfill

ビジネスの世界において、感情的になることはあまり好まれません。マイナスな感情はとりわけ敬遠されがちです。どのような状況でも格好よく冷静に、真面目に、何事も自制できているように見せることが主流なのです。

例えば、社員が解雇されるなどといった、職場に影響をもたらすシチュエーションでは、感情的ダメージを軽減させるためにビジネス用語が用いられます。

社員が解雇される時、彼らの後には埋めなければならない空席ができます。その空席を埋めるためには、“backfill”(動詞)する必要があるか、“backfill”(名詞)が必要になります。

この単語は本来、『掘り出された土や小石や砂で、穴や溝を埋める』という意味の工学の専門用語だったのです。現在では、“replacement”(後継ぎ・
後継者)を意味し、“We’re recruiting for Sophie’s backfill”{(解雇されたであろう)ソフィーの後継者を探している}のように使います。

2. Blue-sky thinking

少し現実から離れ、現存の考え方や信念に限定されない『独創的で創造力のある発想』という意味です。多くの上司が、このような考え方ができる社員を求めています。“Thinking outside the box”という言い回しのように、ユニークで新しい発想を求められる時に使われます。

元々は科学用語で、特に明確な目標もなしにただ好奇心を満たすためだけに行う科学研究のことを言います。新しい発見や発案に繋がることが多く、ビジネスにおいてもユニークな製品をつくり出したり、直面している問題に対して斬新な解決法を見つけ出したりすることが期待されているのです。

3. Heads up

本来はスポーツ用語として使われていたものが、ビジネス用語として取り入れられた例の一つです。実は、スポーツ用語とビジネス用語の世界は密接に関わっていることが多いのです。多分どちらもタフで男っぽい、男性優位の社会だからでしょうか。

この表現は、野球やバスケットボールで使われていて、要は『注意をして周りを見なさい』という意味です。職場では社員に注意を払うように促すときや、“I just wanted to give you a heads up about the meeting next Thursday”(訳:来週の木曜日に会議があることを知らせたかったのだ)のように、誰かに何かを知らせる時に使われます。

4. No-brainer

これもまた、サッカーやテニスなどのスポーツに起源を持つ表現です。相当の訓練、または練習を積んだために体が無意識に動いてしまう、という意味で使用されていました。

現在のオフィス英語では、『名案』を意味します。あまりにも名案すぎて誰も文句を言えない、または他のアイデアを考える必要すらない場合に使います。

5. Pushing the envelope

『一般的に可能であると認められた限界を越える』という意味で、意外にも文房具の封筒とは無関係の表現なのです。この表現が最初に登場したのは、作家トム・ウルフのベストセラーである、宇宙計画について書かれた「ライトスタッフ」(1979年)という本でした。

“Flight envelope”(飛行包絡線)いう用語は、第二次世界大戦のときから航空学で使われていて、航空機の飛行可能な制限速度、荷重、エンジン出力、高度などの範囲のことを言います。“Push the envelope”するという事は、飛行機が飛べる距離をどこまで広げられるかを測定する、ということになります。

ウルフの本がベストセラーになった直後、この表現はビジネス用語としても活用されるようになり、新境地へ踏み込む、という意味合いで現在でも使われ続けています。

6. Run this up the flagpole

このビジネス英語は“let’s run it up the flagpole and see if anyone salutes it”(旗を揚げてみて、誰か敬礼するかどうか試してみよう)という言い回しが省略されたものです。これは広告業界で頻繁に使われた専門用語で、『新しい製品やアイデアを試して、誰か気にいる人がいるかどうかを確かめる』という意味です。

この表現は1950~1960年代から使われていますから、現在では少し使い古された決まり文句として捉えられてしまいがちです。実際、ビジネス界で長年にわたって乱用された傾向があり、本来の表現を揶揄したような言い回しも考案されています。“Let’s throw it against the wall and see if it sticks”(壁に投げてみて、くっつくかどうか試してみよう)などといった、別のバージョンを耳にすることがあるかもしれません。